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更新日:2024年03月25日

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リーダーシップとSDGsを掲げる社会連携活動

本学学長である川久保清先生が執筆された記事が令和6年3月13日発行の『全学私学新聞』論壇に掲載されました。
以下に全文を掲載いたします。

 

リーダーシップとSDGsを掲げる社会連携活動

人口減少社会において、大学志願者数の減少は特に女子大学への影響が大きく募集停止する女子大学や共学化する女子大学が多くなってきた今だからこそ女子大学の役割があると考えている。女子大学は、女性活躍推進を押しすすめるためにリーダーシップの能力をもつ女性を社会に送り出す使命をもっている。女子大学ならではの教育がある。しかし、ステイクホルダーに選ばれる女子大学であり続けるには絶え間なく、見える形で教育改善を重ねる必要がある。その一つとして本学が取り組む社会連携活動について述べる。

本学の人材養成目的のキーワードには「主体的な学び、幅広く深い教養、総合的な判断力、誠実で豊かな人間性、社会に広く貢献する自立した女性」とあるように、社会連携活動を主要な教育活動と位置づけている。本学は、明治19年(1886年)創立の共立女子職業学校にルーツを持ち、開学以来建学の精神に基づき、神田一ツ橋の地にて女子教育を行ってきた。戦後昭和24年、新制大学として家政学部をスタートとして、いまは、大学6学部、短期大学2科の中規模女子総合大学として神田一ッ橋ワンキャンパスにて、3つの特長「リーダーシップ教育、手厚いサポート体制、立地」をうたっている。現在の学生数は大学、約5600人、短大約300人の中規模女子総合大学ですある。

本学が2020年から提唱する「リーダーシップの共立」は、建学の精神である「女性の自立と自活」をリーダーシップと実学と読み替え、実学は大学6学部8学科、短大2科の専門的な知識・技能を教授するものである。リーダーシップは、リーダーというポジションのことではなく、権限によらず全員が発揮する「21世紀型」「世界標準」と言われるようなリーダーシップの考え方による。共立リーダーシップを「みずからを恃み(たのみ)自立し、友愛により他者と協働して目標達成を目指す力」とし、後半の友愛は校訓の「誠実、勤勉、友愛」の友愛に基づく。

2020年からはビジネス学部開設に合わせて「Major in Anything. Minor in Leadership®」を提唱し、主専攻は様々な専門分野で学び、副専攻として誰もがリーダーシップを学ぶとする意味をあらわした。本学のリーダーシップ教育は、教養教育科目の「協働とリーダーシップコア」における理論的な学びから始まり、リーダーシップ修得を目指す最小3要素である、目標設定・共有、率先垂範、相互支援に包容性を加えた理論をベースにリーダーシップを学ぶ。リーダーシップの実践は、課題にチームで挑戦するPBLの中で学ぶものなど、正課、正課外に及ぶ。

リーダーシップを学ぶ実践的活動として重視しているのが、社会連携活動である。本学の社会連携活動は大学のある神保町界隈との近所つきあいから始まり、2003年の千代田区との連携協定、千代田区が公募する千代田学への応募を経て、2018年に社会連携センターを開設し、近隣6大学・短大の千代田区キャンパスコンソに参加することにより本格的に始まった。本学のある千代田区は政治経済の中心であり昼間人口は90万人ながら、夜間人口は6万8千人であり、学生と教職員大部分は大学と自宅の間の通学時に千代田区をスルーするだけである。そんな特異な都心の大学であるからこそ、社会連携は千代田区にある企業や地方事務所を経て全国展開が可能であった。その際のコンセプトはリーダーシップとSDGsとした。地域連携先は南三陸町、福井市、種子島、五島市、東伊豆町などとなっている。社会連携活動の一部は正課にとりいれ単位化し、建築・デザイン学部の街づくり、家政学部児童学科の地域と連携した保育活動、看護学部の地域密着型看護、ビジネス学部の事業創造やリカレント教育へと広まっていくことを期待している。

 

共立女子大学・女子短期大学学長

川久保 清

 

『全学私学新聞』第2640号(令和6年3月13日発行)掲載(※掲載許諾済)